規制の承認の取得に向けた取り組み
当社は、米国の規制当局から承認を得るための明確な筋道があると以前より確信しています。非常に細分化されている米国のコンビニエンスストア業界には15万以上の店舗が存在しています。セブン&アイとクシュタールの店舗はともに、米国内で多様な実店舗とオンラインでの食品・商品販売業者と競合しつつ、米国のほぼ全域において互いに補完的な地域で事業を展開しています。 セブン&アイおよびその外部弁護士と共同で進めてきた売却対象ポートフォリオ策定に関する作業は、上記見解を裏付けるものです。当社は、米国のコンビニエンス市場において競争力のある健全な事業を分離・売却することで、米国独占禁止法の要件を満たす筋道があると考えています。また、適切な時期に米国連邦取引委員会(FTC)やその他関連機関との更なる協議を進める予定です。
譲渡店舗数に関するコミットメント
2024年12月末に当社がセブン&アイに提示したタームシートには、当社が取引完了のための承認を得るため、米国で少なくとも2,000店舗を譲渡するというコミットメントが含まれています。 更に、当社は必要に応じて規制当局による審査結果に対して法的措置を講じることにも表明しています。
リバース・ターミネーション・フィー
タームシートでは、クシュタールが規制当局の承認を得るために最大限の努力をするというインセンティブを提供しています。また、当社としては承認が得られない可能性は低いと考えるものの、仮に承認が得られなかった場合にはセブン&アイの株主に対する補償となる魅力的なリバース・ターミネーション・フィーも含めています。
売却プロセスの加速
クシュタールとセブン&アイは、その外部弁護士や財務アドバイザーとともに数カ月にわたり米国の譲渡対象範囲を特定し、譲渡対象事業を切り離し、売却対象の事業体を強力な競争相手として成功させるための準備を進めてきました。
その後、協働プロセスとして、信頼性の高い買手候補のグループから譲渡への関心を募りました。譲渡対象範囲と潜在的なパートナーを特定する当該プロセスによって、クシュタールとセブン&アイの統合に関する取引が合意され次第、FTCとの詳細な協議を速やかに開始し、最短のタイムラインで取引を完了させるための体制を整えています。
当社はこれまでに、信頼性の高い買い手から複数の初期提案を受け取りました。当社は、独占禁止法の懸念事項への確実な対応として、売却プロセスにおける柔軟な対応を継続します。加えて、これまでに寄せられた実行可能で強力かつ幅広い関心は、必要な譲渡を完了し、取引を成功裏に終えるための明確な筋道があることを示しています。
クローガー/アルバートソンズ合併における取り組みとの違い
セブン&アイおよびその代表者は、複数の対話において、本取引における問題解消措置と、クローガーとアルバートソンの統合案件との類似点を指摘していますが、この比較は誤解を招くものです。
当該案件における地方裁判所の見解およびFTCの声明を精査すると、その進め方において明確な違いがあり、各々の潜在的な問題解消措置が根本的に異なります。この違いは、むしろ今回の取引における潜在的な問題解消措置において実現可能性があることを示しています。
- 米国のコンビニエンスストア業界は非常に細分化されているため競争が激しく、クシュタールとセブン&アイが統合した場合の店舗数は米国全体の13%未満となります。
- 譲渡対象の店舗は業績や品質に関係なく明確な算定基準に基づいて選定されており、競争の減少が懸念されるすべての地域を包括的に対象としています。当社は、FTCとの協働のもと今回の手法と対象範囲について検討することを望んでいます。
- 譲渡により、大規模のコンビニエンスストア運営企業の一つとなり、規模と一貫性のある店舗網を有し、魅力ある地域にも広く展開することとなります。
- クシュタールは、強力で競争力のある事業を確立すべく適切な体制を整えることにコミットします。これには経験豊富な経営陣と運営チームの配置、適切なITシステムとインフラ、関連する流通と調達機能も含んでいます。
- 当社は、取引の公表に先立ち、セブン&アイと協業し、共同で信頼できる買手候補に積極的なコミュニケーション活動を実施してきました。